【七ころび八おき】

保育士 河野千賀子

 保育士9年目で当病院に就職。半年もたたないうちに喘息やてんかん、自閉症、精神発達遅滞、選択性緘黙などの症状をもつこども達が続々入院してきて、接することになりました。

 今まで、ほとんど健常児しか接することのなかった世界から、一変してたいへんな世界に足を踏み入れてしまったというのが正直な気持ちです。まず、つまずいたのがこども達に対する接し方の違いでしょうか・・・。同じことをするにしても、児がやりやすいように最初から手助けし、皆との足並みをそろえるやり方から、とにかくさせる、できることを信じて待つ。微妙な違いですが、後からこども達にもたらす影響力は随分違ってくるような気がします。そう思えるようになるまでは、戸惑いと不安と葛藤が絶えずつきまとっていたのも事実です。

 また、今までは関わり方一つにしても大人の立場で考えると手をさしのべた方が早く済み、他児との統一性が図れると思っていました。しかし、当院のやり方では、まずもって児の自立を重んじ、児の本来持つ能力をひきだすまで待つ姿勢をくずさないのです。“待つ”という言葉は一見すれば楽にもきこえますが、これがどれ程根気のいることか・・・。これから、思い知らされたこども達との我慢比べの日々を“エピソード”として紹介していきたいと思います。